きものクリニック

きもののお手入れと保存

せっかく誂えてもらった着物。次に着ようと思ったら、シミやカビが…
そんなことにならないように、お手入れや収納の方法を知っておきましょう!
着物のアフターケアは「面倒で難しい」という印象を持っている人も多いかもしれませんが、
ポイントさえ押えておけば難しいことはありません。

どうしても避けたい2つの大敵!

湿気

きものを大事にするあまり仕舞いこんだままにしておくと湿気を招き、カビが発生する原因となってしまいます。
和ダンスがあれば理想的ですが、紙の衣装箱などでも定期的にフタを開け放つなど風を通すようにすれば問題はありません。
和ダンスも扉を開けて空気の入れ替えが大切です。
収納場所は湿度が低い部屋を選び、結露ができるような部屋は避けましょう。

日光

窓際など、日の当たる場所に置いておくと日焼けして変色してしまうことがあります。特に紫系の無地の着物は気をつけて下さい。
保管に限らず着た後にハンガーにかけて汗を乾かす場合でも、ハンガーに掛ける場所は必ず日陰を選びましょう!

覚えておきたいアフターケア

汚してしまった場合は

小さな汚れでも、自分で落とそうとすると汚れを広げてしまうことがあります。
下手に触らず、汚れた時のままの状態で「きもの館なかね」にご持参下さい。
その際、汚れの原因を伝えるとしみ抜きもスムーズにできます。出来るだけ早く対処するのも大切です。

着た直後は

一度着た着物は、汗などで多くの湿気を含んでいます。脱いで直ぐに収納すると、カビや黄ばみ、縮みの原因になってしまいます。
2~3時間程、陰干しして湿気を取り、汚れのチェックをして下さい。帯、長襦袢も干して湿気を取りましょう!
肌着や足袋はご自宅で洗濯できるのでご安心下さい。

防虫剤にも気をつけて

防虫剤を一緒に入れておくと虫食いなどは避けられますが、色々な種類の防虫剤を一つの引き出しに使うと、化学変化を起こし、着物にシミや変色が発生する場合があります。一種類のメーカーを決めて使うのが理想的です。
また、金銀の箔や糸は防虫剤と反応し、変色することがあるので注意して下さい。
※防虫剤は文庫紙の中に直接いれないようにして下さい。

定期的な虫干しを

湿度の多い時期を避け、晴れの日が2~3日続いている天気が良い日を選びます。
午前10時~午後3時までの間に陰干しをします。
7月下旬~8月下旬、10月下旬~11月下旬、1月下旬~2月下旬は比較的に湿度が低く虫干しに適した時期です。

虫干しができない場合は

天気が良く、乾燥した日に引き出しやクローゼットを数時間開け放し風を通します。
また、重ねる順番を入れ替えるだけでも湿気を防ぐ効果はあります。